- [2界]古来,人は生物を動物と植物とに大別してきた。ここでの動物とはいわゆる動物を指している。動物学というのは,この意味における動物を研究する学問分野である。ここでは植物とは動物ではない生物すべてであり,カビやバクテリアも植物であった。カビやバクテリアの研究が植物学の範疇にあるのはこのためである。
植物 菌
(真菌)動物
(後生動物)(藻類) (粘菌など) (原生動物) (藻類:藍藻) (細菌) - [3界]2界における植物からいわゆる植物を取り除いた残りが菌である。ここでの菌にはカビやキノコのようないわゆる菌のほかにバクテリアなどが含まれている。
植物 菌 動物
(後生動物)(藻類) (粘菌など) (原生動物) (藻類:藍藻) 細菌 植物 菌 動物
(後生動物)(藻類) (粘菌など) (原生動物) モネラ - [4界]菌をいわゆる菌(真菌)とバクテリア(細菌)を別々に分けたのが4界である。ここでの動物,植物,菌(真菌),細菌という区分は,私たちが直感的にとらえるものとほぼ一致している。水滴のなかを泳ぎ回るゾウリムシは動物であり,ヒジキやワカメは植物である。
ミドリムシは鞭毛をもって泳ぎ回るので直感的には動物のように見えるが,葉緑体をもって光合成をおこなうので植物のようにも見える。ムラサキホコリカビ(粘菌)の胞子は,発芽するとアメーバのように動き回る。結果,ミドリムシ類や渦鞭毛藻類などは動物と植物の両方に分類され,粘菌やラビリンチュラなどは動物と菌の両方に分類されることになった。
なお,この分類では原核生物である藍藻類を,はじめは植物に含めたが,のちに細菌とあわせてモネラに含めた。
植物 菌 動物 原生生物 モネラ - [5界]いわゆる植物のうち,コケ,シダ,種子植物を除いた残りを藻類という。いわゆる動物のうち,多細胞動物を除いた残りを原生動物という。植物と動物の両方に分類されていたものは植物では藻類に,動物では原生動物にあたるものである。
植物のなかから藍藻を細菌と同じ界へ移したうえで,藻類,原生動物,粘菌やなどをひとまとめにしたのが原生生物である。- モネラ:細菌と藍藻からなる。モネラは原核生物であり,モネラ以外の4つは真核生物である。
- 原生生物:藍藻を除く藻類,原生動物,粘菌やラビリンチュラなどからなる。
- 植物:コケ,シダ,種子植物よりなる。
- 菌:キノコやカビよりなる。
- 動物:多細胞動物(後生動物)よりなる。
ホイッタカーの提唱した5界説とマーギュリスの5界説とでは,界の境界が微妙に異なる。たとえば,ホイッタカーは緑藻と紅藻を植物界に含めたが,マーギュリスはそれらを原生生物に含めた。
- 研究の進展により,さまざまな生物群どうしの系統関係があきらかになりつつある。単系統群が見つかると新しい名前を与える。界は,しだいに「界」というランクを失い,生物全体の大きな系統樹のなかの大きな枝をさすための名前に変わっていくことになろう。
- 以下,このサイトでは「動物」を上記5界の動物の意味で用いる。
| 植物 | (真菌) | 動物 (後生動物) |
| (藻類) | (粘菌など) | (原生動物) |
| (藻類:藍藻) | (細菌) |
- 本サイトのメインコンテンツは,各動物群を概説した各論だが,未作成のページがきわめて多い。更新も頻繁には行っていない。なお,近年発見された高位タクサはひとまとめにしてある。